冬は免疫力がカギ!免疫力を高めるには腸が関係してる!?<後編>
免疫力を高めるために、「食べ方」も工夫しましょう!
●朝食は抜かない
消化・吸収の働きをコントロールしているのは、自分の意思とは関係なく働く「自律神経」です。
それには「お休みモード」の副交感神経と「活動モード」の交感神経の2つがあり、朝は副交感神経から交感神経に切り替わるタイミングで、そのスイッチとして重要なのが朝食です。
朝食にはまた、私たちに備わる「体内時計」をリセットする意味もあります。体内時計のずれはホルモン分泌や新陳代謝のリズムを狂わせ、結果的に免疫力が落ちてしまいます。
さらに、朝食は1日のエネルギー源となるだけでなく、胃腸を刺激してスムーズな排便を促し、腸内環境を整えるために役立ちます。
これまで朝食を摂る習慣のなかった人は、バナナ1本からでもよいので始めてみましょう。
バナナは善玉菌のエサとなるオリゴ糖を含み、食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富な優秀食材。和食なら、みそ汁1杯からでもOKです!
●発酵食品は夕食で多めに
発酵食品はいつ摂ってもよいのですが、ベストなタイミングを挙げるなら、夜です。
消化・吸収は自律神経のうち「お休みモード」の副交感神経が優位の時に行われます。
夜は睡眠に向かって副交感神経が徐々に優位になってくる時間帯なので、腸が活発に働く夕食時に摂るのがより効果的というわけです。
なお、“食べる”という行為は交感神経を刺激するので、食事中は交感神経が優位になります。
交感神経が優位なまま眠ると睡眠の質が悪くなったり、睡眠中に行われる消化・吸収に影響して腸内環境が悪化したりするため、夕食は遅くとも就寝の3時間前までには済ませるようにしましょう。
腸内環境のことを考えれば、夕食は腹6分くらいが理想です。
●もち麦ご飯を習慣に
健康のために主食を玄米にする人が増えていますが、玄米に含まれる食物繊維の大半は不溶性食物繊維で、善玉菌のエサになる水溶性食物繊維はわずかです。
不溶性食物繊維は便のカサを増やし、腸のぜん動運動を活発にする働きがありますが、摂り過ぎると便が硬くなって便秘を悪化させたり、人によってはお腹が痛くなったりすることもあり注意が必要です。
その点、大麦に含まれる食物繊維の3分の2は水溶性食物繊維なので、ご飯に大麦を混ぜて炊いた「大麦ご飯」を主食にすれば、無理なくバランスよく食物繊維を摂ることができます。
大麦には粘り気が少ない「うるち性」と、粘りが強い「もち性」の2種類があります。
このうち大麦ご飯に向くのは、もち性の「もち麦」のほうです。
モチモチとした食感で、ご飯に混ぜても違和感がありません。また、加工法では、「丸麦」タイプがおすすめです。
●みそ汁は具だくさんに
みそは日本の代表的な発酵食品です。
腸内フローラを整えて免疫力を高めたいなら、毎日のみそ汁はぜひ取り入れていただきたい習慣です。
その際、善玉菌を増やす水溶性食物繊維が多い具を積極的に加えるようにしましょう。
例えば、わかめなどの海藻類や、なめこ、ごぼう、大根、白菜、ほうれん草、かぼちゃなどです。
これらを何種類か組み合わせ、さらに豚肉や卵などのタンパク源も加えれば栄養バランスもアップし、主菜としても通用する一品となります。
さらに効率よく善玉菌を増やすなら、作り置きできる「長生きみそ玉」もおすすめです。
●お酒を飲むときは、同量の水を
アルコールは適量を摂取すればリラックスに役立ちますが、飲み過ぎれば交感神経を刺激し、結果的に腸内環境を悪化させ、免疫力を低下させてしまう原因となります。
また、アルコールは腸壁を直接痛めつけ、炎症を引き起こして腸のバリア機能を低下させたり、消化・吸収の働きに影響して悪玉菌の増殖を招いたりすることも。腸の健康のためにも、飲み過ぎには注意が必要です。
こうしたダメージを少しでも少なくする方法として、お酒を飲む時は同量の水を飲むことをおすすめします。
脱水による二日酔いの予防になり、飲酒量をある程度抑えることもできるからです。
健康を考えてお酒を飲むのはあまり楽しくないかもしれませんが、飲み過ぎが免疫力にも影響することは頭に入れておき、上手に水分を補給しましょう。
●まとめ●
免疫力には毎日の食生活が大きく影響しています。
免疫力アップにつながる食材を使って、食事を楽しみながら、自分の腸内細菌を優しく育む気持ちでケアしていきましょう。