お魚が苦手なお子さま必見! DHAを“魚以外”から摂る方法

子どもたちの健やかな成長のために欠かせない「DHA」。
このDHAがとくに多く含まれているのが、いわゆる「青魚」といわれるサバ、イワシ、サンマや、脂ののったマグロのトロ、ブリなどの魚介類。
だからこそ、昨今、何かと敬遠されがちなお魚料理を「食卓に並べてみませんか?」と、ご提案したのは前回のこと(詳しくは、こちらをご覧ください)。

そうは言っても、アレルギーがあったり、どうしても苦手で食べられなかったりするお子さんもいらっしゃいますよね。
だからこそ、日々の食卓に何を並べるかを悩んでしまうわけで…。

では、そういう場合には、DHAは摂れないのでしょうか。
いえいえ、諦めないでください。今回は、魚介類以外からDHAを摂取する方法を一緒に探してみましょう。

DHAは魚介類からしか摂れないの?

DHAは魚介類からしか摂れないのでしょうか。
実のところ、DHAをしっかりたっぷり摂れるのは断然“魚介類”なのですが…。

食品名 100gあたりの
DHAの含有量(㎎)
サバ(生) 970.0
マイワシ(生) 870.0
サンマ(生) 2,200.0
クロマグロ
(脂がのったもの/生)
4,500.0
ブリ(生) 1,700.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成

しかし!
よくよく探してみると、いつも口にしている“あの”食材にもDHAが含まれていることがわかりました。
日々の献立に取り入れやすい食材をご紹介しましょう。

肉類

部位によって前後はしますが、とくに鶏肉や豚肉に含まれています。

食品名 100gあたりの
DHAの含有量(㎎)
鶏肉(皮なし/生) 8.0~9.0
鶏肉(レバー/生) 180.0
豚肉(脂身つき/生) 12.0~15.0
豚肉(レバー/生) 82.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成
卵類

卵類には、肉類よりも多めに含まれています。

食品名 100gあたりの
DHAの含有量(㎎)
うずらの卵(全卵/生) 240.0
うずらの卵(水煮缶) 260.0
鶏卵(全卵/生) 72.0
鶏卵(全卵/ゆで) 68.0
鶏卵(水煮缶) 130.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成
乳製品

ミルクをギュ~ッと凝縮させて作るタイプのチーズからも摂取できます。

食品名 100gあたりの
DHAの含有量(㎎)
クリームチーズ 6.0
エメンタールチーズ 5.0
ゴーダチーズ 4.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成

知っておきたい!
DHAの量は調理法でこんなに変わる!!

DHAは熱に弱い脂質のため、加熱をすると食材から流れ出てしまいます。
」で食した場合のDHAの摂取量を100%とします。
焼く」「煮る」の調理法だと約80%まで、「油で揚げる」と約50%にまで減少すると言われています。
魚介類であれば、お刺身やお寿司など「」で食べられますが、肉類は基本的には「加熱調理」をして食べます。
その場合は、流れ出たDHAも一緒にできるだけ多くのDHAを摂ることができるよう、「スープ」や「お味噌汁」「ホイル焼き」など、汁ごと余すことなく食べる調理法がおすすめです。

こんな方法でもDHAは摂れます!

α-リノレン酸」を摂る!

DHAは、良質な脂質「必須脂肪酸」の一種である「n-3系脂肪酸」に分類されています。
ω3(オメガスリー)」という呼び名で聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
このω3の仲間に分類されているα-リノレン酸を意識して摂ることも、DHAを摂取するひとつの方法です。
なぜなら、α-リノレン酸には、体内においてDHAに変換される性質があるからです。

必須脂肪酸ってどんなもの?

必須脂肪酸とは、人が生きるためのエネルギーとなり「免疫力の向上」「生活習慣病の予防」など、健康なからだの維持に欠かせないものです。
一方で、人が生きている限り消費され続けるものであるうえ、体内では作り出すことができないため、不足しないよう食事などによって補い続ける必要があるものでもあります。
DHAの仲間、つまりω3に分類される必須脂肪酸は以下の通りです。

  • α-リノレン酸
    えごま油、亜麻仁油、なたね油、大豆油などに含まれています。
  • EPA(エイコサペンタエン酸)
    サバ、イワシ、サンマ、本マグロ、ブリなどに含まれています。
  • DPA(ドコサペンタエン酸)
    クジラの脂身部分などに多く含まれています。
オイルで摂る!

α-リノレン酸が多く含まれるのは、何と言っても「えごま」と「亜麻仁」のオイル。 その含有量は、他のものとは比べ物になりません。
その他、手に入りやすいものでは「なたね油」「大豆油」などにも多くのα-リノレン酸が含まれています。

食品名 100gあたりの
α-リノレン酸の含有量(㎎)
えごま油 58,000.0
亜麻仁油 57,000.0
なたね油 7,500.0
大豆油 6,100.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成

このα-リノレン酸を効率よく、しっかり摂る方法は「加熱をせずに使うこと」。
サラダやスープなどに回しかけたり、ドレッシングのオイルとして活用するといいですよ。

ナッツで摂る!

ナッツでα-リノレン酸を摂るなら「くるみ」一択です。

食品名 100gあたりの
α-リノレン酸の含有量(㎎)
くるみ
(炒ったもの)
9,000.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成

細かく刻んでサラダなどのトッピングに使ったり、おひたしの和え衣にしたり、クルミが使われてるパンやお菓子を積極的に選んでみたりしてはいかがでしょう。
なお、1日の適量は10粒(30g)程度。
ただし、食べ過ぎてしまうと、肥満や便秘、下痢などの要因ともなるので注意しましょう。

魚が苦手でも、これだったら食べられませんか?

お魚は苦手…」なお子さんでも、魚介類が原材料の「缶詰」や「練り物」だったら食べられる、なんてことはありませんか?

食品名 100gあたりの
DHAの含有量(㎎)
マグロ
(油漬け/缶詰)
370.0
カツオ
(油漬け/缶詰)
290.0
サバ
(水煮/缶詰)
1,300.0
サバ
(味噌煮/缶詰)
1,500.0
サバ
(味付け/缶詰)
1,500.0
かまぼこ
(蒸し)
130.0
ちくわ
(焼き)
65.0
魚肉ソーセージ 50.0
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成

これらの食材を活用することでも、DHAは摂取できるんです。
それが可能であれば、俄然、料理のレパートリーが増えてくる気がしませんか?

まとめ

ご紹介したように、DHAは子どもたちが普段からよく口にする食材からでも摂り得ることが、おわかりになっていただけたのではないでしょうか。
ひとつひとつは少量であっても、今回ご紹介したような食材を上手に組み合わせつつ、意識して日々の食卓に取り入れたなら、DHAは魚介類以外からでも摂取できます。
また、今はDHAのサプリメントなども手軽に手に入る時代。
どうしても食事から摂るのが難しいようでしたら、いつものご飯にプラスして、サプリメントなどに頼るのもひとつの手かもしれません。

いずれにしても、日々の暮らしの中で上手にDHAを摂り入れて、子どもたちの健やかな成長を支えていけるといいですね。